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性病科 | 山添医院
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山添医院(やまぞえいいん)

性病科

男性も女性も、性病の治療はお任せください。

■性病科

性病の種類

性病にはいろいろありますが、日本でよく問題となるのは 
1)クラミジア 
2)淋病 
3)梅毒 
4)ヘルペス 
5)尖圭コンジローマ 
6)B型肝炎 
7)エイズ 
8)EBウィルス 
9)毛ジラミ、疥癬 
などでしょう。
また最近問題となっているのは、一種類だけではなく混合感染(2種類以上の感染)がよくみられることです。
一つの病気の診断がついたからといって、他の病気が否定されたわけではないので注意が必要です。
すなわち一つの病気の治療が終わっても、時期を違えて別の性病がでてきて再び治療が必要になることも多いのです。

性病の症状 男性の泌尿器に関するもの

泌尿器に関するものとして最も多いのは、男性の尿道炎における症状でしょう。
排尿時の痛みや尿道の先からの膿のような分泌物が主な症状で、これは淋菌かクラミジアの感染により起こります。
淋病の方がクラミジア感染症より症状が強い場合が多いようですが、混合感染もあり、検査しなければ確定診断は得られません。
その他の症状として前立腺炎や精巣上体炎(副睾丸炎)を起こすと、下腹部の違和感や睾丸のズキズキする痛みや押さえたときの痛みの症状が起こります。
尿道炎では発熱はありませんが、前立腺炎や精巣上体炎(副睾丸炎)を起こすと発熱する場合があります。

性病の症状 

皮膚に関する症状は大きく分けて3つに分けられます。すなわち 

1)外陰部にただれ(びらん)や皮膚が削れたような潰瘍ができるもの(性器ヘルペス、第1期梅毒、EBウィルス) 

2)外陰部に盛り上がった病気(丘疹や結節)ができるもの(第1期梅毒、第2期梅毒、尖圭コンジローマ、疥癬、毛ジラミ、伝染性軟属腫) 

3)全身に皮膚症状がみられるもの(第2期梅毒、第3期梅毒、淋病(進行したとき)、エイズ、EBウィルス) 

このようにいろいろな症状があり、簡単には診断はつかないのですが、外陰部に何かのできものがある場合、例え痛くもかゆくもなくても性病を疑ってみる必要があるということは知っておく必要があります。

性病の症状 婦人科に関するもの

女性の性器の症状は、少しおりもの(帯下)が多いとか性交の時の痛みなどです。
またひどくなると腹膜炎をおこして、お腹が痛くなることもあります。
またこれは皮膚に関する症状とも言えますが外陰部のヘルペスや毛ジラミなどの場合は明かな痛みやかゆみを伴います。

しかし女性の場合、男性に比べて症状がある場合が少なく、またあっても軽度であることが多いようです。
このため相手の男性の正しい診断ではじめて診断される機会が得られることが多く、男性の診断がなければ治療を受けずに放置されてしまう場合が多いということです。
しかし症状が無いからまたは軽いといって、決して放置しておいてよいものではありません。
感染により、妊娠前では不妊症になりますし、妊娠初期では流産の原因となり、妊娠の中期から後期では早産の原因となります。
また女性の性器の構造上、すべての感染がお腹の中すなわち腹腔内に及ぶ可能性があることと妊婦が感染すると出産(分娩)時に産道において感染が起こる可能性があることが特徴的です。
このため早期の診断と治療が不可欠なのです。

性病の診断

性病は
1)男の人で尿道炎を起こし、検尿で診断されるもの(淋病、クラミジア、トリコモナス) 

2)外陰部に目に見える病変が認められるもの(梅毒、ヘルペス、尖圭コンジローマ) 

3)血液検査の一つである抗体検査により診断されるもの(B型肝炎、エイズ、EBウィルス) 
の3つに大きく分けられます。

1)の尿道炎の診断は尿の検査(検尿)により行われます。
ここで注意すべきなのは検査に一番大事なのは出始めの尿(初尿)を取るということです。
しかも前の排尿から2時間ぐらいはあけてある方がよいのです。
ですからもし尿道炎の症状があり、泌尿器科を受診される場合は、2時間以上尿をためてから行かれることが大切です。
内科などの検尿や女性の膀胱炎の検査では中間尿といって出始めの尿を捨ててから尿を取る方が良いのですが、尿道炎を疑う場合、必ず出始めの尿を取る必要があるのです。
淋病やクラミジアは前立腺や副睾丸炎の原因となります。
この場合は下腹部や、陰茎の付け根のさらに奥の場所に違和感や痛みが出現します。
この場合、前立腺のマッサージを肛門から行って、その後の尿を調べる場合があります。
尿道炎だけでは発熱がないのですが、前立腺や副睾丸に炎症が起こると、発熱する場合があります。 
また以前は泌尿器科にかかると尿道をゴシゴシとこすられて死にそうに痛かったというような話があったかもしれませんが、現在では男子の場合、初尿を使って遺伝子的にかなりの確率で診断が可能ですので、あまり恐れずに受診して下さい。

2)の場合、一番大事なのは目で見ての診断(視診)です。
ただれや何か盛り上がっている病変があれば専門医に診てもらうことが大切です。
痛みを伴うものや伴わないものなどいろいろありますので、痛みがないからといって放置しておいて良いものではありません。
このようなただれや盛り上がりは一時的にだけでて、消えてしまう場合があります。
梅毒などがこのケースですが、後々全身の症状がでてくることになりますので、できるだけ早期にすなわち消えてしまわないうちに診断をうけることが大切です。 

3)のB型肝炎などは、急にしんどくなったりして検査をしてみるとB型肝炎であったという場合が多く、その感染経路を検討してみると、性交からの感染いうことがわかる場合がほとんどです。
現在のB型急性肝炎の5から30%は性行為からの感染ともいわれています。
ですから泌尿器や婦人科から診断されるよりは、内科や皮膚科から診断される場合が多いようです。
しかしこれもりっぱな性病の一つであり、注意が必要です。
AIDSなどは初期は一時的に風邪のような症状がありますが、それは自然に治ってしまい、症状のないキャリアとよばれる状態で発症までの期間をすごすことになります。
この期間における診断は血液検査しかなく、症状からの診断はできません。

尿道炎を起こす菌の比較

《淋病》
初発症状 分泌物、違和感、痛み
潜伏期間 2~10日
感染源 菌陰性化まで持続
母子感染 結膜炎
続発症 尿道狭窄、不妊症(前立腺炎、副睾丸炎)

《クラミジア》
初発症状 分泌物、違和感
潜伏期間 1~3週
感染源 菌陰性化まで持続
母子感染 結膜炎、肺炎
続発症 不妊症(前立腺炎、副睾丸炎)

男性の尿道炎を起こす代表的な病原体2つは淋菌とクラミジアです。
両者は治療に使うお薬が異なる場合があり、鑑別が必要です。両者を比較してみると、症状は尿道の分泌物(膿など)、痛み、違和感と共通していますが、淋病の方が症状が強い場合が多いです。
潜伏期間は淋病で2から10日、クラミジアで1から3週間で、淋菌の方が短くなります。
どちらも二次的に前立腺炎や副睾丸炎をおこすことにより、不妊症になります。
女性に感染すると、卵管炎や腹膜炎を起こします。男性よりも女性の方が症状が軽い場合が多いようです。

その他の性病の比較

《梅毒》
初発症状 性器潰瘍、皮疹
潜伏期間 3週
感染源 感染後2年以内強い
母子感染 胎児死亡、先天梅毒
続発症 中枢神経、心血管梅毒

《ヘルペス》
初発症状 性器びらん
潜伏期間 2~10日
感染源 相手が無症状でもあり
母子感染 新生児全身感染
反復性疱疹、キャリア

《尖圭コンジローマ》
初発症状 性器のいぼ
潜伏期間 1~6ヶ月
感染源 相手が無症状でもあり
母子感染 咽頭いぼ
続発症 子宮癌

《B型肝炎》
初発症状 肝炎、黄疸
潜伏期間 1月
感染源 血液、精液に常在
母子感染 キャリア
続発症 肝癌

《エイズ》
初発症状 発熱
潜伏期間 2~8週
感染源 血液、精液に常在
母子感染 小児エイズ
続発症 カポジ肉腫、日和見感染

《EBウィルス》
初発症状 上気道炎、発熱
潜伏期間 4~8週
感染源 持続感染、唾液が感染源
続発症 肝炎、バーキットリンパ腫

性病の治療

まず一番大事なことは、自分が性病の可能性があると考えたならば、恥ずかしがらないですぐに専門のお医者さんにかかることが重要です。
早期発見、早期治療は治療の鉄則です。 
医学の進歩、特にすぐれた抗生物質などの開発により性病の大部分は早期に的確な診断をうけて、早期に治療を開始すれば、治る病気が多くなってきました。
しかしすでにご存じのようにエイズのように未だ十分な治療法の開発されていない病気もあります。
ですから予防が一番大切ということには変わりありません。 

もしかかってしまった場合に治療上で注意すべきこととして 

1)性病には先ほども述べたように、2つ以上の混合感染があることと、再感染もあり得ることです。
再感染には一度菌が陰性になったようにみえても、少量の残存により再発する場合や、パートナーが無治療のため再び移し返されて感染する場合があります。
ですからあなたが性病と診断された場合は、たとえ何も症状が無いパートナーでも必ず正直に連絡して性病の検査を受けてもらい、治療をしておくことが大切です。 

2)不十分な治療すなわち勝手に薬をやめてしまったり飲み忘れたりすると、慢性化したり、その薬に対して抵抗性をもった病原体が出現してなかなか治りにくくなったりします。
従ってお医者さんが十分というまではきちんとお薬を服用することが重要です。

男性の尿道炎の治療

水分を多めにとり、薬をきちんと服用することが大切です。
飲み忘れたり、放置しておいて慢性化すると、男性では前立腺炎や副睾丸炎、女性では卵管炎や腹膜炎などを起こすことがあるからです。
他の人との性交は避けなければなりませんが、射精自体は我慢する必要はありません。
むしろ射精することにより前立腺炎や副睾丸炎の予防になる場合もあります。